奈良にて

奈良にて二日間、偉大な先生の下にて著書の実際の舞台となる場所を歩き回った。
より勉強になったのは、僕の中では、やっぱり人間的な部分だったようだ。

『死者の国』も、身をもって体験してきた。

正直、古代人の空間感覚なんてものは完全に取り戻すことは不可能なのかもしれない。
では、代償としての景観だけではなく、彼らの知恵をどのように継承していけばよいのだろうか。
簡単にはわからないことだと思うけれど、あせってこたえを求めるようなことでもなく、
もしかしたら、、、理屈や言葉でこねるようなことではないのかもしれない。

すくなくとも僕の中にはなにか新しい思考と身体感覚が養われたように感じた。
本をただ読んで頭ではわかった気になる、という単純な話ではなくて。

スケジュール大改造してまで、近畿に戻ってきてよかった。


もうひとつ、都市開発の話。
第一線を走っている人達の話を聞いて改めて実感したけれど、大阪も東京も(特に東京)
大都市空間は半ば消費物として扱われている状況があり、そうしないともう社会がまわらない。
開発し続けないといけない状況になってるんだな。それが大都市の中の公共性、匿名性をも維持している。
やっぱり地方都市とは計画手法は本当にまったくの別物なんだろう。
アトリエと組織設計の構図ができあがるのももまさにそれ。ブレーキがなくなって、アクセルを踏み続ける自動車のようだ。
良いのか悪いのかは僕にはわからない。
それでも本当に良い都市、まちとは何か、僕は僕なりに真正性を考えていきたい。

そろそろ寝ないと東京には戻れない。民都大阪もみれん。
あと、がんばって九月中にポスター三枚つくる。